「変な姿勢で座っていたら、腰が外れそうな感覚になってしまいました…」という相談をいただきました

「変な姿勢で座っていたら、腰が外れそうな感覚になってしまいました…」という相談をいただきました

「変な姿勢で座っていたら、腰が外れそうな感覚になってしまいました…」という相談をいただきました。

腰が外れそうな感じは、筋肉がかたくなっているサインかも

変な姿勢で長く座ったあと、「腰がぐらぐらする」「外れそうな感じがする」ことはありませんか?

これは、背中の深いところにある筋肉ががんばりすぎて、かたくなってしまった結果です。

ふだんは、お腹の筋肉と背中の筋肉がバランスよく働いて体を支えています。

でも、座り方によっては、そのバランスがくずれてしまい、背中の筋肉だけががんばってしまうのです。

  • 「畳に座ってテレビを見ていたら、立つとき腰がフワフワ…」
  • 「ぎっくり腰の経験があるから不安…」
  • 「ずっと座っていたら、腰の奥が変な感じ…」

そんな声を、お客様からよく聞きます。

でも安心してください。その感覚はまちがっていません。

それは、体が「もう限界!」と教えてくれているサインなんです。

なぜ変な姿勢をし続けると腰が外れそうな感覚になるのか?

【理由①】

長く座ると、お腹の筋肉がサボってしまう
畳の上などで長く座ると、骨盤が後ろに倒れ、お腹の筋肉(とくに腹横筋)が働きにくくなります
体をまっすぐ保つために、背中側の筋肉(多裂筋や腰方形筋など)がずっとがんばることになります。
🔖引用元
「Trunk muscle activity patterns and spine stability」McGill, 1999
“腹横筋の活動は、骨盤が後傾する座位姿勢で著しく低下する。”
▶︎ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4540846/

【理由②】

背中の筋肉がかたくなると、不安定感が出やすい
お腹の筋肉が休んでしまうと、背中の深い筋肉が代わりに体を支え続けることになります。
長時間そうした状態が続くと、筋肉がかたくなり、うまく動けなくなってしまいます。
その結果、「腰が外れそう」「不安定」と感じるようになるのです。
🔖引用元
「EMG activities of the quadratus lumborum and erector spinae muscles during motor tasks」
“QLや脊柱起立筋は長時間の活動で筋緊張が高まる傾向がある。”
▶︎ https://www.researchgate.net/publication/11923928

【理由③】

長く座るだけで、筋肉はかたくなる
ある研究では、4.5時間以上ずっと座っていると、腰の筋肉の硬さが15%以上も上がったというデータがあります。
これは立ち上がってもすぐにはもとに戻らず、腰の動きやすさが落ちてしまう原因になります。
🔖引用元
「The Effect of Sitting Posture and Postural Activity on Low Back Muscle Stiffness」
“静的座位4.5時間により腰背筋の硬度が15%以上上昇した。”
▶︎ https://www.researchgate.net/publication/353841971

腰の違和感には、ちゃんとした理由がある

畳などで足を伸ばして長く座ると、お腹の筋肉が使われにくくなり、背中の筋肉がかたまりやすくなるということがわかっています。

この筋肉のかたさやバランスのくずれが、「腰が外れそうな感覚」の正体です。

今すぐできる腰の不安定感対策4選

✅ 30分に1回は立ち上がって軽く体を動かそう

→ 血流と筋肉の弾力性が回復します。

✅ 呼吸を使って腹筋を目覚めさせよう

→ お腹を軽くへこませる腹式呼吸で、腹横筋が活性化します。

✅ お風呂上がりに腰のストレッチを習慣化

→ 背中やお尻、股関節まわりをほぐすと腰の筋肉の負担が減ります。

✅ 座り方を工夫しよう

→ 長座位ばかりでなく、椅子座位正座・あぐらを交互に使いましょう。

腰が外れそう、ぐらぐらする、その感覚は決して気のせいではありません。
体の深いところで筋肉バランスが崩れ、背中の筋肉が限界に達しているサインなのです。

ちょっとした対策と意識で、腰の不快感は確実に変わります。
違和感が続く場合は、無理せず専門家に相談してみてくださいね。

よくある質問(FAQ)

Q. 腰が外れそうな感覚は、危険なサインですか?

A. 必ずしも危険ではありませんが、筋肉の疲労や硬直によるサインであることが多いです。

Q. 長座位はしないほうがいいですか?

A. 長時間続けることが問題です。こまめに姿勢を変えることが大切です。

Q. ストレッチのおすすめは?

A. 腰だけでなく、股関節やもも裏(ハムストリングス)のストレッチも効果的です。

さいごに

腰の違和感が出たとき、それはあなたが「がんばりすぎたよ」という体の声を受け取った証拠です。

放っておくと悪化するかもしれませんが、早めに気づけば防ぐことができます。

ちょっとした意識と工夫で、腰はかるく、気持ちよくなりますよ。

不安がある方は、いつでも専門家に相談してくださいね。

著者プロフィール 紋⾕ 悠希(もんや ゆうき)

『リハビリ整体サロンあるく』院長
理学療法⼠(国家資格)

お⼀⼈おひとりに最善のアプローチを!
施術歴は10 年で、のべ2 万4 千件以上の症例を⾒させていただきました。
経験から得たものは「症状には決まりきったパターンというものはなく、お話しを丁寧に聞いてお体を評価させていただいた上で、最善のアプローチを⾒つけ出すことが改善の近道」ということです。

2014年4⽉、医療系国家資格 理学療法⼠ 取得後、群⾺県佐波郡の総合病院に勤務。
介護⽼⼈保健施設 リハビリテーション科の主任として、急性期、回復期、外来、慢性期病棟などを経験。
2020年8⽉、『リハビリ整体サロンあるく』を開業。

紋⾕ 悠希(もんや ゆうき)