五十肩や四十肩で肩の痛みを放置すると全身が悪化する?整体・マッサージでは届かない“筋膜リリース”で整える高崎市のリハビリ整体サロンあるく
五十肩を放置すると、なぜ他の場所まで痛くなるのか?理学療法士が解説します。

【はじめに】
「五十肩で注射しても良くならないけど、生活に支障はないから良いか…」
「肩が痛いけど、そのうち治るだろう…」
「動かすと痛いから、なるべく使わないようにしよう」
そう思って痛みを放置して、そのままにしていたら、今度は「肩だけでなく首や腰まで痛くなってきた」という経験はありませんか?
実はこれ、多くの方が初めて来院される時に、こんなお話しを伺うことが多いのが事実です。
ほとんどの慢性的なしびれや、痛み、コリでお悩みの方は、痛みを放置したことが原因で、身体の他の場所まで悪影響が出てしまうのです。
しかも、五十肩で言えば、放置しているうちに肩がどんどん動かなくなり、日常の動作(髪を結ぶ・服を着る・物を取る)さえ難しくなっていきます。
結論から申し上げると、肩の痛みによる「不動化(動かさないこと)」は、肩だけでなく体全体のバランスに悪影響を及ぼし、別の関節や筋肉にも負担をかけてしまいます。その結果、さらに可動域が狭まり、痛みの悪循環に陥ることがあるのです。
メカニズムと概念
1. 痛み → 不動化 → 筋・関節機能の低下
痛いとき、私たちの脳は「その部分は使うな」と指令を出します(これを疼痛回避行動といいます)。
動かさないことで筋肉は硬くなり、筋力が落ち、関節も動きにくくなっていきます。
2. 関節包・筋膜・滑液の変化
肩を動かさない状態が続くと、関節包が固まり、滑液(関節の潤滑液)も減少してしまいます。
さらに、筋膜や靭帯が癒着や線維化することで、肩が動かしにくくなります。
3. 筋膜・筋連鎖の影響
身体は一つながりで動いています。肩が動かないと、背中や首・腰の筋膜が代わりに働こうとして無理な力がかかります。
結果として、胸郭や肋骨の動きが制限され、呼吸が浅くなったり、腰や首に痛みが出ることもあります。
4. 交感神経の緊張・自律神経の関与
痛みやストレスが続くと交感神経が優位になり、筋肉が緊張して血流も悪くなります。
これにより、痛みがさらに強まり、治りにくくなる悪循環が起きてしまいます。
【五十肩による悪循環】
たとえば、右肩が痛くて動かせない状態が続くと…
大胸筋・小胸筋が短縮し、肩が前に巻き込まれて「猫背」に
肋骨の動きが悪くなり、呼吸が浅くなる
体幹のねじれが制限され、腰や首に余計な負担
最終的には、腰痛や首こりの原因に
【まとめ】
「痛み」→「不動」→「筋肉・関節の機能低下」→「体のバランスの崩れ」→「他の部位に痛みや制限」
という悪循環のサイクルが存在します。
つまり、肩の痛みだけを見ていてはダメなのです。
「動かさなくなったことが体全体にどう影響しているか」を広い視点で見ることがとても大切です。
【リハビリ的な視点で重要こと】
①痛みのコントロールと同時に、「動かせる範囲での適度な動き」を確保する
②肩だけでなく、全身の筋膜や姿勢・呼吸を含めてアプローチする
③痛みがあっても、専門家の指導のもとで少しずつ動かしていくことが改善のカギ
【不動化による悪循環を止めるために、自分でできること】
・早めに専門家に相談する(整形外科・理学療法士など)
・痛みがない範囲で、ゆっくり腕を回したり、肩甲骨を動かす練習を続ける
・深い呼吸を意識して、肋骨や胸郭をやさしく動かす
・長時間同じ姿勢を避け、こまめに姿勢を変える
・温めて血流を促す(入浴やホットパックなど)
・肩だけでなく、全身のストレッチや体操を行う
最後に 「肩だけの問題」だと思っていたら、実は全身に広がる問題のはじまりだった… そんなことにならないように、早めの対処と継続的なケアが大切です。 必要以上に怖がらず、でも放置せず、「やさしく動かし続ける」ことを忘れないでください。