【解説】つらい肩こりを運動学で改善する方法

【解説】つらい肩こりを運動学で改善する方法

肩こりは辛いですね。
進行すると、全身の倦怠感やだるさに繋がります。

私たち『リハビリ整体サロンあるく』に来院される肩こりの患者さんたちの実際の訴えをご紹介します。

これらの症状を感じたら、早めに私たち専門家にご相談ください。

1.肩こりの代表的な症状と特徴

(1)肩や首の痛み

鈍痛、鋭痛、こわばりなど

(2)肩や首の動きづらさ

上を向く、後ろを振り返るなどの動作が困難になる

(3)頭痛

特に後頭部やこめかみの痛み

(4)吐き気

重い肩こりの場合は、吐き気を伴うことも

(5)疲労感

全身の倦怠感やだるさ

2.なぜ、肩こりになるのか?

肩こりの原因は、姿勢の悪さ、運動不足、ストレス、冷えなど、多岐にわたります。
これらの要因が複合的に作用し、肩こりを引き起こすケースも少なくありません。

(1)姿勢の悪さ

猫背

デスクワークやスマホ操作など、長時間同じ姿勢をとることで、肩や首の筋肉が緊張し、血行が悪くなります。

ストレートネック

首の自然なS字カーブが失われ、首や肩への負担が増加します。

反り腰

腰が反り気味になると、肩が前に出てしまい、肩こりの原因になります。

(2)運動不足

筋肉の硬直

運動不足は、筋肉を硬くさせ、柔軟性を低下させます。

血行不良

筋肉が硬くなると血流が悪くなり、老廃物が溜まりやすくなります。

代謝の低下

運動不足は、基礎代謝を低下させ、体全体の機能低下を招きます。

(3)ストレス

筋肉の緊張

ストレスを感じると、交感神経が優位になり、筋肉が緊張しやすくなります。

血行不良

筋肉の緊張は、血行を悪くし、肩こりを悪化させます。

睡眠不足

ストレスは睡眠の質を低下させ、疲労が蓄積しやすくなります。

(4)冷え

筋肉の硬直

冷えは、筋肉を収縮させ、硬くします。

血行不良

冷えは、血管を収縮させ、血流を悪くします。

免疫力の低下

冷えは、免疫力を低下させ、体の抵抗力を弱めます。

(5)その他の要因

目の疲れ

パソコン作業やスマホの使用で目が疲れると、肩や首の筋肉が緊張しやすくなります。

生活習慣の乱れ

不規則な生活、睡眠不足、偏った食事なども、肩こりの原因となります。

病気

特定の病気(頸椎椎間板ヘルニアなど)が原因で肩こりが起こる場合があります。

肩こりの原因は、単一ではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。
そのため、肩こりを改善するためには、これらの原因を総合的に考え、自分に合った改善策を見つけることが重要です

3.肩こりを改善する医学と運動学の違い

肩こりの改善には、医学的なアプローチと運動学的なアプローチの2つの側面があります。
それぞれが異なる視点から肩こりにアプローチし、相乗効果を発揮することで、より効果的な改善が期待できます。

(1)医学的なアプローチ

医学的なアプローチは、肩こりの原因となる病気を特定し、治療することを目的としています。

原因の特定

X線、MRIなどの画像診断や、血液検査などを行い、肩こりの原因となる疾患(頸椎椎間板ヘルニア、変形性頸椎症など)を特定します。

薬物療法

痛みや炎症を抑えるための鎮痛剤、筋肉の緊張を緩めるための筋肉弛緩剤などが処方されます。

手術

神経が圧迫されている場合など、重症な場合は手術が行われることがあります。

(2)運動学的なアプローチ

運動学的なアプローチは、肩こりの原因となる身体の歪みや筋肉のバランスの崩れを改善し、機能を回復させることを目的としています。

姿勢評価

猫背、ストレートネックなど、不良姿勢を評価し、原因となる筋肉の緊張や柔軟性の低下を特定します。

運動療法

ストレッチ、筋力トレーニング、体幹トレーニングなどを行い、筋肉のバランスを整え、柔軟性を高めます。

機能回復

日常生活動作の改善や、スポーツ復帰など、患者さんの目標に合わせた機能回復を支援します。

(3)どちらを選ぶべきか?

どちらのアプローチが適切かは、個々の患者さんの症状や状態によって異なります。
医師や理学療法士などの専門家と相談し、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。

4.人にやさしい運動学による 肩こりの改善法・予防策

(1)運動学とは?

運動学は、人間の動きや機能を科学的に研究する学問です。
肩こりの改善においては、体の構造や機能を理解し、痛みや不調の原因となっている部分を特定することで、より効果的な改善策を提案します。

(2)なぜ運動学が肩こりに有効なのか?

肩こりは、姿勢の悪さ、筋肉のバランスの崩れ、血行不良など、様々な要因が複雑に絡み合って起こります。
運動学では、これらの要因を総合的に捉え、個々の状態に合わせた運動療法を提供することで、肩こりの根本的な原因から改善を目指します。

(3)運動学に基づいた肩こりの改善法

姿勢評価と分析

体のバランスの崩れ、姿勢の歪みなどを評価・分析します。

痛みの原因となる筋肉の緩和
  • トリガーポイント療法:痛みを引き起こす硬結(トリガーポイント)を緩和します。
  • ストレッチ:緊張している筋肉を伸ばし、柔軟性を高めます。
  • マッサージ:筋肉の緊張を解きほぐし、血行を改善します。
体幹の安定化

体幹トレーニングによって体幹を安定させることで、姿勢を改善し、肩への負担を軽減します。

姿勢改善エクササイズ
  • 肩甲骨の動き:肩甲骨を意識的に動かすことで、肩周りの筋肉のバランスを整えます。
  • 顎を引く運動:頭を正しい位置に戻し、頚椎への負担を軽減します。
  • 猫背矯正:猫背を改善し、自然なS字カーブを維持します。
機能的動作の改善

日常生活動作をスムーズに行えるよう、適切な姿勢や動作を指導します。

(4)肩こり予防のための運動学的なアプローチ

正しい姿勢の維持

デスクワーク中や立ち仕事中の姿勢に注意し、猫背にならないようにしましょう。

定期的なストレッチ

首、肩、背中などのストレッチを習慣化しましょう。

体幹を鍛える

体幹を鍛えることで、姿勢の安定性を高め、肩への負担を軽減できます。

(5)運動学による肩こり改善のメリット

根本的な原因の改善

姿勢の悪さや筋肉のバランスの崩れを改善することで、再発を防ぎます。

痛みを軽減

痛みを伴わないやさしい運動で、筋肉の緊張を解きほぐします。

日常生活の質の向上

日常生活動作がスムーズになり、QOL(生活の質)が向上します。

運動学に基づいたアプローチは、肩こりの根本的な原因に働きかけ、痛みを軽減し、機能回復を促す効果が期待できます。
ご自身の状態に合わせた運動療法を行うことで、快適な生活を取り戻すことができるでしょう。

しかし、個々の状態によって適切な運動は異なります。
必ず専門家の指導の下で行うようにしましょう。

著者プロフィール 紋⾕ 悠希(もんや ゆうき)

『リハビリ整体サロンあるく』院長
理学療法⼠(国家資格)

お⼀⼈おひとりに最善のアプローチを!
施術歴は10 年で、のべ2 万4 千件以上の症例を⾒させていただきました。
経験から得たものは「症状には決まりきったパターンというものはなく、お話しを丁寧に聞いてお体を評価させていただいた上で、最善のアプローチを⾒つけ出すことが改善の近道」ということです。

2014年4⽉、医療系国家資格 理学療法⼠ 取得後、群⾺県佐波郡の総合病院に勤務。
介護⽼⼈保健施設 リハビリテーション科の主任として、急性期、回復期、外来、慢性期病棟などを経験。
2020年8⽉、『リハビリ整体サロンあるく』を開業。

紋⾕ 悠希(もんや ゆうき)

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