【解説】五十肩で悩んでいる…!運動学で五十肩を改善する方法を解説!

【解説】五十肩で悩んでいる…!運動学で五十肩を改善する方法を解説!

五十肩は辛いですね。
ときには両肩で発症する場合があります。

五十肩の痛みは、日常生活に大きな影響を与えます。
肩の痛みや動きづらさは、心身に大きな負担をかけQOL(生活の質)の低下にもつながります。

また、痛みが取れるまで2年くらいかかってしまう方もいます。
ですから、早めに専門家に相談することが大切です。

私たち『リハビリ整体サロンあるく』に来院される五十肩の患者さんたちの実際の訴えをご紹介します。

繰り返します。
これらの症状を感じたら、早めに私たち専門家にご相談ください。

1.五十肩の代表的な症状と特徴

(1)五十肩とは?

「五十肩」は、正式名称を「肩関節周囲炎」といいます。
肩の関節を包んでいる組織(関節包や滑液包など)に炎症が起こり、肩の痛みや動きづらさを感じることが特徴です。

(2)なぜ「五十肩」と呼ばれるの?

一般的に、40代から60代にかけて多く発症するため、「五十肩」と呼ばれています。
しかし、40代で発症した場合は「四十肩」と呼ばれることもあります。

(3)代表的な症状

五十肩の症状は人によって様々ですが、代表的なものとして次のような症状が挙げられます。

肩の痛み

激痛、深夜痛や安静時の痛み、運動時の痛みなど

肩の動きづらさ

特に外旋(腕を外側に回す)、内旋(腕を内側に回す)の動きが制限される

日常生活動作の制限

服の着脱、髪を洗う、食器を洗うなどが困難になるなど

2.なぜ、五十肩になるのか?

五十肩になる原因は、まだ完全に解明されていませんが、いくつかの要因が考えられています。

(1)主な原因

加齢による組織の変性

関節包、腱、靭帯などが老化し、硬くなることで、肩関節の動きが制限されます。

炎症

変性した組織に炎症が起こり、痛みや腫れを引き起こします。

血行不良

筋肉の緊張や炎症により、血行が悪くなり、組織の修復が遅れてしまいます。

運動不足

運動不足により、肩関節の周りの筋肉が硬くなり、動きが悪くなることがあります。

ストレス

ストレスは、筋肉の緊張を高め、血行を悪くする原因となります。

肩の使いすぎ

スポーツや仕事などで肩を酷使することで、組織を傷める可能性があります。

ホルモンバランスの変化

女性ホルモンの減少など、ホルモンバランスの変化が影響することもあります。

(2)五十肩の発症リスクを高める要因

年齢

40代以降、特に50代で発症しやすい傾向があります。

肩の怪我の経験

過去に肩を怪我したことがある人は、発症リスクが高まる可能性があります。

糖尿病

糖尿病患者は、五十肩になりやすいという報告もあります。

(3)なぜ原因がはっきりしないのか?

五十肩は、複数の要因が複雑に絡み合って起こるため、一つの原因に特定することが難しいと考えられています。
また、個人差も大きく、同じ人でも両方の肩に症状が出る場合や、片方の肩だけに症状が出る場合など、様々なパターンがあります。

五十肩は、加齢や生活習慣など、様々な要因が複雑に絡み合って起こります。
まだ完全に解明されていない部分もありますが、早期に対策することで、症状の改善が期待できます。

3.五十肩を改善する医学と運動学の違い

五十肩の治療には、大きく分けて医学的なアプローチと運動学的なアプローチの2つの側面があります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解することで、より自分に合った治療法を選ぶことができます。

(1)医学的なアプローチ

医学的なアプローチは、主に薬物療法、注射療法などがあります。

薬物療法

痛みや炎症を抑えるための薬を服用します。

  • メリット:痛みを早く鎮める効果が高い。
  • デメリット:全身的な副作用が出る可能性がある。
注射療法

関節内に注射を行い、炎症を抑えます。

  • メリット:効果が早く現れる場合がある。
  • デメリット:一時的に痛みが感じないだけの場合がある。

(2)運動学的なアプローチ

運動学的なアプローチは、運動療法を中心に行います。
ストレッチや筋力トレーニングなどを行い、肩関節の動きを改善し、痛みを軽減します。

メリット
  • 本的な原因の改善:関節の動き制限や筋肉の硬さを改善することで、再発を防ぎます。
  • 痛みを軽減:痛みを伴わない優しい運動で、筋肉の緊張を解きほぐします。
  • 日常生活の質の向上:常生活動作がスムーズになり、QOL(生活の質)が向上します。
デメリット
  • 効果が出るまでに時間がかかる場合がある。
  • 正しい方法で行わないと、かえって症状が悪化する可能性がある。

4.人にやさしい運動学による 五十肩の改善法・予防策

五十肩の治療には、薬物療法や注射療法などもありますが、運動学に基づいた運動療法は、根本的な原因である関節の動き制限や筋肉の硬さを改善し、再発を防ぐ上で非常に有効です。

(1)運動学が重視するポイント

関節の可動域の拡大

痛みを伴わない範囲で、徐々に肩関節の動きを大きくしていく。

筋肉の柔軟性向上

緊張している肩周りの筋肉をストレッチで伸ばし、柔軟性を高める。

筋力強化

肩関節を安定させるために、周囲の筋肉を強化する。

体幹の安定化

体幹を鍛えることで、肩への負担を軽減する。

(2)五十肩の予防策

定期的なストレッチ

毎日、肩周りの筋肉を伸ばすストレッチを行う。

正しい姿勢

猫背など、悪い姿勢を改善する。

肩を冷やさない

温かい服装をするなどして、肩を冷やさないようにする。

バランスの取れた食事

栄養バランスの取れた食事を心がける。

(3)運動療法で機能回復を目指す

運動学に基づいたアプローチは、五十肩の根本的な原因に働きかけ、痛みを軽減し、機能回復を促す効果が期待できます。
五十肩の改善に非常に有効な手段です。

ご自身の症状や体力に合わせた運動療法を行うことで、快適な生活を送れるようになるでしょう。
専門家の指導の下、自分に合った運動療法を行い、健康な肩を取り戻しましょう。

著者プロフィール 紋⾕ 悠希(もんや ゆうき)

『リハビリ整体サロンあるく』院長
理学療法⼠(国家資格)

お⼀⼈おひとりに最善のアプローチを!
施術歴は10 年で、のべ2 万4 千件以上の症例を⾒させていただきました。
経験から得たものは「症状には決まりきったパターンというものはなく、お話しを丁寧に聞いてお体を評価させていただいた上で、最善のアプローチを⾒つけ出すことが改善の近道」ということです。

2014年4⽉、医療系国家資格 理学療法⼠ 取得後、群⾺県佐波郡の総合病院に勤務。
介護⽼⼈保健施設 リハビリテーション科の主任として、急性期、回復期、外来、慢性期病棟などを経験。
2020年8⽉、『リハビリ整体サロンあるく』を開業。

紋⾕ 悠希(もんや ゆうき)